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京都・炭山にある木工&陶芸の工房日記と放浪旅日記です。
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1週間かけてようやく1枚のパネルが完成しました!
元の絵は同じでも、木の選び方やレイアウトの仕方で一人一人違って面白いです。



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お疲れ様でした。
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塗装に入ります。

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まずは下地調整。 ラウンド式のサンダーで120番から320番までかけます。 
ベニアの厚さは0.6ミリしかないので削りすぎには要注意。 オービタルサンダーは傷が付くので、やはり使わないほうがいいそうです。


さらにマニアックな話になりますが (木工マニアでない方は読み飛ばして下さいね。)
ここで使っているサンダーはドイツのFESTOOL社のもの。 電源を入れると、つないだ小型の集塵機の電源も自動的に入り、木を削っているという感覚がないほど木屑がほとんど出ないすぐれもの。 お値段もすごいらしいですが、ほかの電動工具もとにかく使いやすかったです。
ここの会社の展示会にも行って来たのですが、「このノズルをはずして、こっちに付け替えて、このボタンを押すと・・・・・こんなこともできます!」 ってな風で、まるでテレビショッピングでも見てる感じでした。 

電動工具にここまでやるか!?とびっくりのシステム。 
http://hafele.jp/products/pdf/festool/HJA-festool-pdf-CMS.pdf
で、今まで日本で見たことなかったのですが、すごい機械がこれ。ドミノマシーン。
http://hafele.jp/products/pdf/festool/HJA-festool-pdf-domino.pdf
「丸ダボでもビスケットでもない画期的なジョイントシステム」
と銘打ってますが、これはアイディア商品です。

日本の「使い慣れてください。」っていう放任主義の機械にくらべ、欧米の電動工具は人に優しく、使いやすくというコンセプトでつくられているからでしょうか、ものすごく過保護に見えて面白いです。 どちらにも長所短所があると思いますが・・・



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今回は伝統的技法ということで、塗装もシェラック(カイガラムシの分泌物から作る塗料)でフレンチポリッシュ(シェラックを使った塗装法の一つ) をします。
左から、フレークを同量のメタノールで溶かした原液、原液とメタノール1:2に薄めたもの、最終段階で潤滑材に使うパラフィン。



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シェラックをコットンのパットにつけて、何回も何回も薄く塗り重ねていきます。
いつも、あんなに苦労してもうまくいかなかったフレンチポリッシュが、先生の手にかかるとあっという間にぴっかぴかに。
先生、早すぎて手が写らないです!!
大体、60回くらい塗り重ねると顔が映るほどになります。

フレンチポリッシュは前々から興味があったんですが、日本ではあまり使われている技法でないのかほとんど資料がありません。仕方なく英語の技法書を読み漁ったんですが、百聞は一見にしかずってこういうことを言うんですね。


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先生の工具箱。
この本気の遊び心、すばらしいです。



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コース中のお昼ご飯は、元シェフのトレイシーの旦那様お手製。 たまに、おやつの手作りケーキまで出てきました。 贅沢です。
この日は、カンガルーミートのハンバーガー。
初めて食べました、カンガルー。 ちょっと抵抗があったんですが、食べてみると味は普通の牛肉の赤身みたいな味。 低脂肪、低カロリーで若い人たちに最近人気だそうです。




作業もそろそろ後半戦です。

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前につくった花や鳥のパーツをの配置を決めます。
ちょっとした場所の違いでイメージがずいぶん変わってしまうので、ずいぶん時間をかけて悩みました。


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配置が決まったらナイフやノミを使って、パーツを埋め込む部分の背景のベニアをはがしていきます。
ここは失敗がきかないので慎重に!


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はがした背景に膠を使って蔓のパーツを埋め込んだ所。
蔓、葉、花、鳥と、奥にあるものから1つ1つ順番に埋め込んでいきます。


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花や葉など大きなパーツの部分は、アイロンを使っていっきにはがします。
ナイフでアウトラインの切れ目を入れ、水をたっぷりしみこませたあとアイロンをあてると、びっくりするぐら簡単にはがれます。 熱というより、蒸気ではがす感じ。


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講習会は貴重な情報交換の場です。
接着待ちの間は、いろんな話に花が咲きました。 どんな塗料を使っているか、どこのメーカーの道具が良いか、どこで安い木が手に入るか、そんなことから環境問題、政治の話、奥さんの話。
どこの国でも、木工家の悩みはおんなじなんだな~ なんて。 だから多少言葉が通じなくても理解しあえるんでしょうね。



ベースの合板に背景になるベニア(薄板)を接着します。
今回使うのはAnimal glue。 つまりにかわです。 オーストラリアや欧米でも、耐久性や扱いの不便さから、家具に膠を使うことはほとんどなくなっているようです。 でも、失敗しても温めるとやり直せる、補修がしやすい、何よりも人体に無害など見直す点は多いようです。


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粒状の乾燥した膠に水を加えメルティングポットで70度に温めて溶かします。
なんともいえない、動物性の匂いが漂います。 あまりいい匂いとは言いがたいですね。

私がバイトしているアンティーク家具店では、古い家具を直すときがちがちにこびりついた膠をアイロンで溶かしたり、グラインダーで削り落としたりするのですが、そりゃもうすごいにおいがします♪


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溶かした膠を接着面にたっぷり塗り、張り合わせたあと、ベニアハンマーという真鍮の板が先に付いた道具で余分な膠と空気を押し出します。
あまった膠は、熱湯で絞った布でふき取ります。


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引っ付かないようにラミネート加工された合板で当て木をしてクランプで締め付けます。 膠は冷えるとすぐに固まるので時間との勝負。
「こっち持って!」 「そっちおさえて~!」「クランプもう一本!」 と一騒動でした。



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クランプだらけ。 「木工家は、どれだけたくさん持っていても一生クランプが不足している。」 なんて格言があるそうですが・・・
この状態で、約15分放置。 


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ゴミ箱から膠の付いた木片を見つけてきて、うれしそうになめていた所を叱られ、ふてくされているオットー君。 ニカワってよっぽどおいしいみたいです。


 

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葉っぱと同じようにしてハチドリをつくっていきます。
図案が複雑になるほど、パーツとパーツの隙間なく切り出していくのが難しくなります。 目の周りなど何度切り直したことか・・・・
鳥の羽毛に見えるような木目を選んだり、配色を考えたりするのが面白かったです。


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講師のGeoff Hannah先生。 何やらお悩み中なようですが? 著名な方なのに、とても気さくで冗談ばかり言っているお茶目な方でした。 このごっつい指からどうやったらあんなに繊細な作品が出来上がるのか不思議でなりません。
ただ一つ困ったのが、この方のオーストラリア英語。 オーストラリア人も舌を巻くほどの生粋の田舎弁だったそうですが、最初の頃は本当に何を言っているのか全然解らなくて冷や汗をかきました。



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作業風景。
トレイシーの工房兼教室は、こんな感じのワークベンチが7,8台と大型の作業機械が一通りそろっていてうらやましい限りの環境でした。
平日の日中ということもあって、私以外の生徒さんはおじ様ばかり。 でも、木工にかける熱意はすごかったです。



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工房のもう一つの顔。 トレイシーの愛犬、オットーとパンザ。 
うちの犬は機械の音を嫌がるんですが、この子達は全然お構いなしで工房中を走り回ってました。 いたずらっ子が2人いるような感じです。



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3日かけてすべてのパーツが完成!




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