京都・炭山にある木工&陶芸の工房日記と放浪旅日記です。
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昨日の疲れもあって、この日はおねぼう。 ためていた洗濯物をしてから、スケーエン(skagen)の町まで歩いて出ました。 途中スーパーによったのですが、ノルウェーと比べて何でも安く感じてしまいました。
スケーエンのは黄色い壁と赤い屋根の小さな家が立ち並ぶ明るくてかわいらしい町、二階建てより高い建物がほとんどなくて空が広く感じます。
港でレンタサイクルを借りました。 さすが自転車の国デンマーク、こんな小さな町なのにレンタサイクルのお店は何軒もありました。24時間借りて60kr(約1500円)。 この自転車で、さらにユトランド半島の先っぽグレーネン(Grenen)の岬に向かいます。 約20分ほどの道のりでしたが、とにかく道がまっ平らで自転車をこいでいる感覚がほとんどなくて楽◎。 町を抜けると木が無くなって、潅木とヒースや野草に覆われた砂丘が続きます。
自転車を駐車場において、岬の切っ先まではまだ1キロ以上。みんな裸足になってのんびり渚を歩いていました。 日本で岬というと崖沿いが多いので、砂州の岬というのはなんだか変な感じです。 変といえば、まだ6月というのに泳いでいる人がたくさんいました。 北欧のお約束、日が照っているうちに浴びておこう、凍ってないうちに泳いでおこう、という感覚なんでしょうか?
ここが本当のユトランド半島の切っ先、西のスケーラック海峡と東からのカテガット海峡が出会い不思議な波を見ることができます。 この旅でいろんな風景を見てきましたがこれは予想していませんでした。どこまでも続く砂丘、雲ひとつない真っ青な空、そして青と灰緑で左右の色が違う不思議な海。 浅瀬に入ると、足に両側から波が打ち寄せてきます。 デンマークの最北端がこんなに明るく美しい所だったなんて・・・。
グレーネン名物の、農業用トラックにひかれた真っ赤な砂丘用バスがやってきました。 でも、歩いたほうがよっぽど気持ちがいいと思うのですが。
売店でホットドックをほおばったあと、また自転車に乗って岬を一周しました。 どこへ行っても風景がきれい、村がかわいい、そしてまっ平ら。
9時過ぎ夕日を見にもう一度グレーネンへ戻ってきました。 名所の灯台は残念ながら改装中でしたが、夕焼けの海と空の色がすごかったです。 相変わらず空には雲ひとつなくて、こんなに広い空を見たのは生まれて初めてかもしれません。 自分の頭上には本当に何もなくてこのまま宇宙につながっているんだな、と、そんなことを考えてしまうくらい広い空でした。
スケーエンはこの風景の美しさに惹かれてたくさんの芸術家が移り住んだそうですがその気持ちがわかります。
日が落ちてくると急に荒野に霧が出てきて、あっという間に白い絨毯でもひいたように窪地が霧でいっぱいになりました。 そこに夕日が反射して幻想のようにきれいでした。
5月最後の日、いよいよノルウェー最後の日、そしてこれまでで一番の大移動の日です。
9:10発の長距離バスで、スタヴァンゲルからクリスチャンサン (Kristiansand)に向かいました。 牧場と湖と小さな町を抜けていくのんびりとした風景。 運転手さんもずいぶんのんびりした人で、お客さんが乗ってくるたびに陽気におしゃべりが始まってなんだかいい感じでした。
クリスチャンサンで待つこと3時間、やっとフェリーが港に入ってきました。 この旅で色々船に乗ってきましたが、これまでで一番の大きさです。 週末ということもあってかたくさんの人と車が乗り降りしていました。
16:30ついに出航。 Good-by、ノルウェー。See you agein、スカンジナビア半島。 感傷に浸るかと思いきや、はっきり言ってノルウェーから離れられるのはめちゃくちゃうれしかったです。 もうこの激高物価には本当に疲れ果てました。 いつかお金持ちになったらまた来ますネ。
午後8時、やっと対岸のデンマークが見えてきました。 最初は陸地とわからなかったぐらい平ら。 本当に真っ平ら。 今朝いたノルウェーの対岸とは信じられません。
デンマークのヒルハルス (Hirtshals)に到着。 ここからさらにローカル線に乗ってスケーエンに向かいます。 思っていたよりも田舎町で、何とか駅らしきものにたどり着きましたが、線路が一本あるだけ、どうしようかと思うぐらい何もない駅でした。 ここがこの路線の終着駅、車止めに哀愁が漂っています。
駅に入ってきたのは、場違いなほど真っ青でピカピカな流線型の列車でした。 列車の中にドーンと切符の自販機がありましたが、デンマーク語表示のみ、車掌さんも英語が全然だめ。困り果てていた所を、ミニスカートに口ピアスという、これまた田舎には場違いなようなティーンの2人が助けてくれました。 人や物は見かけで判断してはいけません。
列車は夢のようにきれいな日暮れの農村の間をひた走ります。 止まる駅すべてが何もないプラットホームだけで、地の果てに連れ去られていく気分でした。 午後9時過ぎ、列車は今夜の宿の最寄り駅に到着。 さすがにあたりは薄闇でした。 駅には地図の1つもなく、とりあえず歩き出したものの30分以上たってもユースホステルが見つからない、電話も通じない、途方にくれました。
庭先でバーベキューをしている人を見つけ、失礼を承知で垣根越しに声をかけると、ものすごく丁寧に道を教えてくれたばかりか、もしホテルがしまっていたら戻ってきて家に泊まっていきなさいとまで言ってくれました。本当にありがとうございます。
優しいおばさんのおかげで、何とかユースホステルまでたどり着いたのですが、案の定レセプションはしまっていました。 もうロビーで寝るしかないかとあきらめた頃、ふと窓に封筒が貼り付けてあるのを発見。表には
”Wellcome Yuko”
なかには、コロンと部屋の鍵が入っていました。
来る前からこの日のスケジュールはどうなるかと心配していたのですが、その通りになってしまった1日でした。出会ったたくさんの親切な人たちに感謝です。
右端のストックホルムから旅を始め、左下までたどり着いた所です。
某有名旅行ガイドの表紙絵を見たときから、ずっと行ってみたかったプレーケストーレン(Pleikestolen)。 これを見るために、ノルウェーのスケージュールを組んだといっても過言ではないです。
前日、ベルゲンからの長距離バスでスタヴァンゲルへ。 スタヴァンゲルからはフェリーで対岸のタウまでわたり、そこからバスで1時間ほどかけて登山口前に在るユースホステルまでやってきて、ここで一泊しました。 湖のほとりにある、周りに何にもないきもちのいい所でした。
目指すプレーケストーレンまでは、片道2時間の山歩き。 途中の湿原には綿毛をいっぱいにつけた草が一面にはえていました。 でも、道が平らだったのはほとんどここだけ。 後は見上げるような岩場や、急斜面続きの本格的な山道でした。
やっとプレーケストーレン(教会の説教壇という意味)に着きました。 フィヨルドから垂直に切り立った高さ600メートルの岩壁です。 すごい。
岩の上はちょっとした児童公園ほどの広さ。 日本と違って、手すりも柵も一切ありません。 みんな腹ばいになってこわごわ下を見下ろしていました。
見下ろすとこんな感じ。 岩が90度よりも傾いているので本当に真下にフィヨルドが見えます。 大きなフェリーが豆粒のよう。 高所恐怖症というより、「なんとかと煙は」で高い所が大好きな私ですが、さすがにカメラを持つ手が震えました。
達成感もあってか、岩の上ではみんな友達のようにおしゃべりをして、写真を撮ってもらったり、お菓子を分けてくれたり楽しい時間を過ごしました。
気をつけてはいたんですが、レンズカバーが落ちてころころっと崖のほうに転がっていってしまいました。 人間ってこういうときとっさに動けないものなんですね。 固まっていたら、先にいたお兄さんが笑いながら拾ってくれました。 どうしてだか、ほかにも物を落とす人が続出してました;;;
交通の便はよくないし、山道もきつかったけど行くことができてよかったです。 ノルウェーへ行かれる方、時間に余裕があればぜひお勧めです。
ユースホステルのHPは↓から。 詳しいプレーケストーレンの情報。 スタヴァンゲルからの時刻表などもあります。
http://www.preikestolhytta.no/
この日も幸運続きでいいお天気でした。 朝一番でベルゲンの工芸博物館へ。 ものすごく時代がぐちゃぐちゃになっていたけれど、めずらしい銀製品のコレクションや、有名な椅子に自由に座ることもできて予想以上に面白かったです。
住宅街にまた行きました。
素敵な煙突。
彼女の為に家の前に置かれた古びたベンチで、日向ぼっこする猫。 御年16歳。 人懐っこくてもさもさでした。
ふと街角で見つけたお寿司屋さん。 「nama」 う~ん、新鮮な材料を使ってるんだろうなぁ。 思わず写真撮っちゃいました。
港の先にあるローセンクランツの塔に行きました。 中は階段が螺旋状になっていて、歩いているうちに方向感覚がなくなります。 ここも全然人がいなくてゆっくり見て回ることができました。、特に塔の屋上からの眺めがすばらしかったです。
塔の裏手は公園になっていて、そこでベルゲンフェスタの一環で木を使った作品の展示をしていました。 残念ながらもう終わっていましたが、この場所で作品の製作もみることができたそうです。 建材をひたすらネジでとめてつくってありましたが、近づくと想像以上の大きさでとてもきれいでした。
この日は丁度、ベルゲン音楽祭の最中で、町中のいろんな所でライブコンサートやパレードをしていました。
夕食後、音楽が聞こえてきたので外に出てみると、広場でブラスバンドが演奏していました。 ユニフォームではなく、黒い服にワンポイントで水色のネクタイや、タンクトップを着ていてとてもお洒落。